盗用しないモラル、盗用させないチェック体制

中3少女が詩を盗作、「詩と思想」新人賞取り消し ほぼ丸写し (産経ニュース)

もう1年以上たってるので書いてもいいと思うんですが、新聞社で働いていたころ、子供向け紙面の俳句コーナーに、こともあろうに与謝蕪村の俳句をそっくりそのまま応募してきたツワモノ小学生がいました。しかもシャレにならないことに、紙面に載っちゃったんですね、それ。

盗作する方もする方ですが、載せる方も載せる方だよ、という出来事でした。最初に句を選んだ社外の選者も、その紙面を作った記者も、レイアウトした整理記者も、だ~れも気づかなかったんですから。レイアウトできた紙面(ゲラ)は普通、誤字脱字やおかしい表現がないかを複数人でチェックしていて、私も(その面のメインの担当者ではなかったにせよ)その面に目を通した1人だったので、責任の一端は一応あるのです。

そのとき、「小学生にしては上手い」と私は感じたのに、「ちょっとググってみる」程度の手間を惜しんだことで、結果的に盗作が世に出てしまったわけで、「少しでも疑問に思ったら調べてみる」ことの大切さを実感しました。実際、ググってみたらその句は蕪村の作だということが一発で分かりました。忘れもしない、「夏河を越すうれしさよ手に草履」。

人の作品を盗むのは論外ですが、それが盗用か否かのチェックも厳しくしなきゃいけない、ということですね。上述のように選者も編集の人間も疑問に思わなかったというのはとても恥ずかしいことですが、「小学生が盗作なんかしないだろう」という性善説の前提が頭のどこかにあったのかもしれません。でも今はインターネットのおかげで、いとも簡単に盗作ができるようになってしまいました。応募作品をいちいち疑いの目で見なければいけないというのは、やるせないものがあるでしょうね。
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テーマ : - ジャンル : 小説・文学

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奈津

Author:奈津
198X年生まれ。
フリーランス翻訳者。
関心は雇用(特に若い世代の)とか日本語の変遷とか。
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