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そう訳しちゃっていいのか、と思うとき

2010.10.06 00:34|ニュース
枝野幸男さんに別に興味はありませんが、中国に関する彼の発言「悪しき隣人」が英語版でもそのまんま "bad neighbor"と訳されていたのが気になりました。

日本語版
中国は「あしき隣人」「法治主義通らぬ」 講演で枝野氏 (朝日新聞)

英語版
DPJ exec: China is a 'bad neighbor' (同)


類語辞典で bad を引けば、出てくる単語は evil です。(ほかにもあるけど。)ブッシュ前米国大統領がイラクだかイランだか北朝鮮を "axis of evil" (悪の枢軸)と名指しして批判を浴びたのは記憶に新しいところです。

何が言いたいかというと、bad は表現として強すぎやしないか、ということです。日本語版は日本語が読める人しか読みませんが、英語版は外国の人も読むでしょうから、後者の方が影響が大きいんじゃないかと思うんですよね。それを考えると、いくら枝野氏本人が「悪しき」という言葉を使ったとしても、訳は unacceptable(受け入れがたい)、undesirable(好ましくない)、incomprehensible(理解に苦しむ)あたりにした方が表現が多少柔らかくなっていいんじゃないかと思うんですが、訳者がそこまでやると「差し出がましい」のかなあ。

しかし、ある国と対立関係にあるからといって、その国に対してあからさまに敵意を見せるような発言はどうかと思います。英語には"an iron fist in a velvet glove"(ビロードの手袋に包んだ鉄拳)という表現がありまして、なかなか面白いなと思うんですが、鉄拳は見せとくものじゃないんですね。表面上はソフトで、実はしたたか、というのが怖いのです。
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テーマ:語学の勉強
ジャンル:学問・文化・芸術

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奈津

Author:奈津
198X年生まれ。
フリーランス翻訳者。
関心は雇用(特に若い世代の)とか日本語の変遷とか。
家の周りは田んぼです。

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