夏の読書感想文 "Diary of a Wimpy Kid"

Jeff Kinney "Diary of a Wimpy Kid"

Diary of a Wimpy KidDiary of a Wimpy Kid
(2008/07/03)
Jeff Kinney

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 中学生(ミドルスクール8年生)の少年、グレッグの日記という形でつづられる、ばかばかしくも微笑ましい日常。

 "wimpy" とは「弱虫の、意気地無しの」という意味です。グレッグは学校の人気者というわけでもなく、勉強もスポーツもそれほどできず、趣味はテレビゲームという、どこにでもいる平均的な中学生男子。学校で一目置かれる存在になりたくて、あの手この手を使いますがことごとく失敗に終わります。生徒会の会計に立候補したときには(みんなが注目する会長選挙と違って会計なら簡単になれるだろうと考えるのがグレッグの小賢しいところ)、自作の選挙ポスターがネガティブ・キャンペーンだという理由で副校長に剥がされ、学校新聞のマンガ担当になったときには教師が台詞に手を入れたために面白みがゼロになってしまいます。そんなグレッグのダメっぷりが少年の目線で正直に書かれていて、すごく面白い。笑えます。

 ただ、この作品は単に「笑える」だけではなく、アメリカの文化にについて興味深い点を教えてくれます。

 まず、クリスマス。クリスマスが近づくと、グレッグは母と、貧しい人に贈るプレゼントを買いに行きます。プレゼントは教会を通して、生活に困っている人のところへ届けられます。また、子どもたちは親からだけでなく、叔父や叔母など親戚からもプレゼントをもらえますが、子どもは必ずお礼状を書かないといけません。また、子どもたちも両親にプレゼントを贈りますし、兄弟間でもプレゼントを贈り合います。グレッグの兄のロドリックは、グレッグの嫌いなマンガ本をわざとくれたりします。
 
 また学校では、賞罰がとてもはっきりしています。グレッグは親友のローリーと一緒に、近所の幼稚園児の帰宅に付き添う安全パトロール員を務めるのですが、付添中に幼稚園児に毛虫を見せて怖がらせていたことが学校にばれたグレッグはパトロール員をクビになり、一方、真面目に任務を果たしていたローリーはパトロール員のリーダーに「昇進」することができたのです。このほか、体育がよくできれば「月間賞」(Athlete of the Month)として廊下に写真が貼り出されます。

 語彙についてもいくつか面白い点がありました。例えば、「遊ぶ」というときに play を使うのは小学生までで、中学生にもなると hang out と言わないとカッコ悪いんだそうです。作中ではローリーがいまだに play を使うことにグレッグは少々いら立っています。

 また、purse は女性が持つバッグのことで、男性は purse を持ちません。グレッグは家庭科で自分の名前を刺しゅうしたバッグを作るのですが、ほかの少年たちから"Hey, look, Greg has a purse!" (グレッグが女物のバッグを持ってる!)とからかわれてしまいます。男性が化粧ポーチを持ってるような違和感なんでしょうね。

 読みながら、自分の中学校時代を思い出しました。いまいち冴えない、だけど可愛いグレッグにたくさんの人が共感できるのではないでしょうか。
 
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テーマ : 洋書多読 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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奈津

Author:奈津
198X年生まれ。
フリーランス翻訳者。
関心は雇用(特に若い世代の)とか日本語の変遷とか。
家の周りは田んぼです。

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