問題は読み方よりも

麻生首相が「弥栄」を「いやさかえ」と読んだことをメディアが「『いやさか』が正しいのに誤読した」と指摘した(※)ことについて、「いやさかえ」も正しい読みであり、メディアの報道はおかしい!とする議論が(主に2chで)盛り上がっているようです。

※ 2009年4月10日 共同通信「祝賀行事で首相言い間違え 『弥栄』を『いやさかえ』」

ですが、「いやさかえ」もありだというのはいくらなんでも、揚げ足の取りすぎ。「いやさかえ」が実際に使われている例として歌舞伎の題名や神社の名前、神前結婚式の誓詞などが挙げられていますが、これはもう古語のレベルです。そんなことを言い出したら、「停止」を「ちょうじ」、「不孝」を「ふきょう」と読むのも「あり」になってしまいます。

「広辞苑」にも「新明解国語辞典」にも「いやさか」は載っていても「いやさかえ」は載っていないのですから、メディアが「いやさかえ」を誤読と判断したのはおかしなことではありません。

とはいえ、この「誤読」がわざわざニュースにするほどのことかというのはまた、別問題です。隣の国のミサイルだのソマリアの海賊だの、もっと大事な問題はたくさんあります。首相の政策とは直接関係ないはずの瑣末な読み間違い、言い間違いを、面白おかしく騒ぎ立てるマスコミの軽薄な姿勢に対して多くの人が疑問を感じていたのだと思います。それが、今回の「いやさかえ」報道で噴出したのでしょう。

(それにしても、これまで麻生首相は漢字に弱いとさんざん指摘されているんですから、「弥栄」なんて古めかしい言葉でなく、「繁栄」のような一般的な言葉を使っていれば誰も何も言わなかったろうにと思ってしまいます。年に何度も神事を行っている天皇陛下は「『いやさかえ』と読むなんて首相は神道に詳しいんだな」と思われたかもしれませんが。)
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Author:奈津
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