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TVで「ファウストの悲劇」

7月に観に行ったお芝居「ファウストの悲劇」(クリストファー・マーロー作、蜷川幸雄演出)がNHK教育で放送されたので、録画して再び鑑賞しました。舞台は生で見る方が良いということは言うまでもないのだけれど、映像であらためて観ると新しい発見があったり、役者さんたちをアップで見られたりするので、これはこれでオイシイ。今回は舞台を見た後に原作(小田島雄志氏訳)を読んだので、それも踏まえて映像で観るといろいろと面白かったです。

以下、気づいたことを箇条書きで。


・河合祥一郎氏の訳は簡潔な感じですね。小田島氏の訳で読んだときに長台詞という印象があった部分が、意外と短い台詞になっていたりします。

・ファウスト博士(野村萬斎さん)、冒頭からこんなハイテンションだったのか。忘れてた。「医者になれ、ファ~ウ~ストォ~」とか「…誤りなり…だァとぅ?」とか「メフィストフェレスの知恵はその程度かァア~ン?」とか、喋り方がいちいち面白い。このあたりの興奮状態と、ラストの悲嘆との落差の付け方はさすがの力量だと思います。

・最初、扇子みたいなの持ってたんですねファウスト博士。契約のシーンではもうなくなってましたが。

・あの腕の血がどうやって出てるのか何回見ても不思議。ポタポタしたたってますもんね。

・どんだけ汗だくだメフィストフェレス。

・タンゴシーンはもう…100回観ても飽きないなこれ!

・教皇と修道士たちの会食にファウストとメフィストフェレス(勝村政信さん)が乱入する場面、ファウストのふざけっぷりが小学生並です。

・三味線BGMの挿入がかなり多い。舞台を観ているときはほとんど意識しませんでした。

・3時間近くという長いお芝居ですが、それでも原作に比べると何箇所か削られています。終盤の善天使の台詞「お前の善天使ももう立ち去るぞ、地獄の顎は大きく開いてお前を待っているぞ」と悪天使が地獄の様子をちょこっと見せる場面はあってもよかったんじゃないかと思いますが。

・シリアスな場面はもちろんしっかり引き込まれるし、コミカルな場面も良い!

・ラスト、幕を引いたメフィストフェレスが静かに十字を切ったのがちゃんと見られて良かったー。

・ヘレナ…。なぜそこにボカシをかけるかNHK。胸を出すのがテレビ的にダメだとしても、あれ男だよ?胸も作り物だよ?ボカシに加え、可能な限りヘレナの胸を映すまい映すまいとするNHKさんの努力が痛いほど伝わってきて、なんかもう……絶句。

まあとりあえず、ヘレナのボカシ以外は良いオンエアでしたー。

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テーマ : 演劇・劇団 - ジャンル : 学問・文化・芸術

お芝居の話題、とりとめもなく

暑い夜ですね。mixi はいつ復旧するのでしょうか?

・筧利夫さんが10日に誕生日を迎えられました。引き続き、公演頑張ってください!

・22日から大河ドラマ「龍馬伝」に筧さんが出演されます。長州藩士・三吉慎蔵役だそうです。寺田屋事件で龍馬を助けたり、おりょうさんをかくまったりするのだそうで、活躍が期待されます。

・7月にシアターコクーンで上演された戯曲「ファウストの悲劇」が9月10日にNHK芸術劇場で放送されるそうです。可能な限りノーカットでお願いしたいですね。特に「ラ・クンパルシータ」は絶対に切らないでほしいです!

・11月の舞台「じゃじゃ馬馴らし」のポスター画像が公式ブログで見られます。キャタリーナを演じる市川亀治郎さんの美女っぷりにびっくり。メイクってすごいですね。そういえば、「ファウストの悲劇」のヘレネも男性が演じていたと鑑賞後に知って驚きました。てっきり女性だとばかり…背の高い人だなとは思いましたが、胸もついてたし(笑)。ところで筧さん、なんか若返った?「踊る大捜査線」初登場のころを思い出させる写りです。

・「ファウスト~」でルーシファーを演じた星智也さんのブログに、楽屋と思われる写真が何枚かUPされています。流し目がなんとも妖艶な萬斎さん、メフィストフェレスの衣装のままでアンケートを読んでいる勝村さん。それにしても勝村さん、本当に後ろ髪を刈り上げちゃってますよね。すぐには伸びないと思うのですが、次の舞台「ビリーバー」はどうするのでしょうか。

・今日Wikipediaを見たら、萬斎さんの身長が174cmと書かれていて目が点になりました。だって数日前まで160cmだったんですよ。伸びたの?四十ウン歳にして(笑)。そういえば筧さんも身長は公称169cmですが、ホントは166cmなんですよねえ。個人的には、エネルギッシュな役者さんは大きく見えるので、実際の身長なんて何cmでもいいと思うんですけど、男性が160cm台というのはちょっとどうか、と考える人もいるのかな。しかし、この写真を見ると萬斎さんだけ明らかにちっこくて、どう見ても174cmには見えません。一人だけ5メートル後ろにいるとかじゃない限り。

・「万作の会」のサイトにも「ファウスト~」の楽屋写真が。これはいい笑顔なのに、これが凄い怖いです。長髪カツラなので、終盤の衣装なんですが、わざわざ怖い写りのを選んで載せたんじゃないかと思うくらい、目がすわってます。もしやこれは終演後で、萬斎さん体力残量ゼロ状態?

・「ファウスト~」は公式サイトの写真もいいんですけど、私はこれが気に入ってます。これはもうセクシーとか通り越して、危険なレベルだと思う。男2人なのに。何かの法律に触れそうです。わいせつ罪とか(笑)。メフィストフェレスが、ファウストに着せた打ち掛けの合わせに手を入れてるのがやらしいです。顔、近すぎですし。ほんとに2人とも、おそろしい役者さんです。

・萬斎さん萬斎さんと連呼してますが、「陰陽師」を観たときには大してハマらなかったのに今どうしてこんなにツボなんだろう、と考えてみたら、細めの眉と口ひげだ!と気が付きました。あれがどうにも絶妙なんですね。これは自分でも予想外でした。

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観劇記 「ファウストの悲劇」

観た日時:2010年7月23日19時
観た場所:Bunkamura シアターコクーン
原作:クリストファー・マーロウ
原題:The Tragical History of Doctor Faustus(邦題「フォースタス博士」)
出演:野村萬斎、勝村政信、白井晃ほか
演出:蜷川幸雄


 天才的頭脳を持ち、英才博学と称えられるファウスト博士(野村萬斎)は、常人を超えた力を欲して悪魔メフィストフェレス(勝村政信)と契約を結ぶ。メフィストフェレスは24年間という期限付きで、ファウストの望みを何でも叶えると約束するが…

 もともと勝村さん目当てで見に行ったのですが、始まってみると野村萬斎演じるファウストから目が離せませんでした。際限のない人間の欲、魂を差し出せばそれを叶えてやるという悪魔の誘惑に乗ってしまう弱さ、いざ契約の期限が迫ると死におびえ、地獄を怖れ、神に救いを求める勝手さを生々しく、妖しく見せてくれました。

一言で言うと、萬斎が全部持っていってしまいました。

しかし実際に魔力を手に入れたファウストがしたことはと言えば、享楽にふけり、手品に毛の生えたような悪ふざけをして人を驚かせたりといった程度だったのです。メフィストフェレスをしもべにして最初に命じたことは「女房がほしい」、契約の期限が近付くなかで「心からの望み」だとして絞り出すように言ったことが「ヘレネ(※)を自分の女にしたい」だったのですから。天下のファウスト博士の欲望が、たったそれっぽっちか!?と突っ込みたくてたまらなくなりましたが、いざ「何でも望みが叶う」状態になった人間が思い付くことなんてその程度だということなのでしょう。

※ ギリシャ神話に登場する絶世の美女。トロイ戦争の原因になったという。

 勝村さんは今回どちらかと言うと、黙って芝居する場面が多かったですね。動き回るファウストを静かに笑いながら眺めているのですが、その嘲るような表情はさすが、うまいなと思いました。

 演出の点では、色の使い方が印象的でした。地獄からしばしば現れる悪魔たちをはじめ、出演者の衣装がけばけばしいほどのカラフルさなのですが、そんな中でファウストの全身黒、メフィストフェレスの全身白というモノトーンが際立っていました。

 その悪魔たちや地獄の王ルシファー、ファウストの心が揺れているときに空中に現れる天使と悪魔などのキャラクターの衣装は漫画のように単純で、下手すると安っぽく見えてしまうのですが、終わってみるとそれは計算されたものだったんだと気付きました。つまり、天使や悪魔、魔王のデザインを陳腐なものにしてしまうことで、ファウストが真剣に恐れているものを戯画化しているんじゃないかと思うんですね。この男がおびえているのはこんなしょうもないものだぞ、と。ではファウストが本当に怖れなければならないものは何だったかといえば、難しい問題ではありますが、悪魔の誘惑に負けた自分自身の心の弱さと欲深さではなかったでしょうか。クライマックスのファウストの台詞「なぜお前は魂を持つ人間なんかに生まれてきた!」はずしりと、重い。

 ですが、誰もが欲を捨てて修行僧のようになれるわけではありません。心の平安を求めて神に祈る一方で、弱さや欲深さは断ち切れず、ふらふらと揺れて、悩んでいるのが人間なんだということなんでしょうね。

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イプセン「ちっちゃなエイヨルフ」

14、15日は東京に行ってきました。

品川駅にて

品川駅

「ゆずりあいましての」って何だか丁寧すぎて変な感じ。「ゆずりあってご通行ください」で十分だと思うのですが。

池袋のあうるすぽっとで、イプセン作の演劇「ちっちゃなエイヨルフ」を鑑賞しました。

ちっちゃなエイヨルフ
「表裏源内蛙合戦」で共演した高岡早紀さんからお花が。

ちっちゃなエイヨルフ
「正信」じゃなくて「政信」です。

「ちっちゃなエイヨルフ」、とてもいいお芝居でした。アルフレッド(勝村さん)とリタ(とよた真帆さん)の疲れた夫婦の雰囲気が本当に何というか、イヤーな感じなんです。お互いに何でも相手のせいにして、甘えたがって、うまくいかなくていらいらしている。そこから本音をぶつけ合って吹っ切れる、というプロセスが、ゆっくりではあるんですが見えてきました。

人物同士の距離がなかなか興味深くて、最初は夫婦やきょうだいが強く抱き合ったり手をつないだりするのに、中盤になるとそれがなくなって、一方が手をつなごうとしたり、抱き寄せようとしても相手が拒んだりします。で、最後はまた、そっと手を取る。それがストーリー展開とうまく重なっていたように思います。

ボルグハイムを演じていた野間口徹さん、純朴な雰囲気で好印象でした。調べてみたら、「容疑者 室井慎次」に出演されてたんですね。「容疑者―」は何度も見てたんですが、調べるまで分かりませんでした。野間口さんかなりイイ感じです。

野間口徹さんのブログ 「ひきこも

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観劇記「表裏源内蛙合戦」

「表裏源内蛙合戦」

原作 井上ひさし
演出 蜷川幸雄
出演 上川隆也勝村政信、高岡早紀ほか

2008年12月13日に、大阪のシアターBRAVA!で観てきました。
蜷川さん演出の作品はオレステス(ギリシャ悲劇)、コリオレイナス(シェイクスピア悲劇)、オセロー(同)と見て4作目。古典戯曲じゃないものを見るのは初めてです。

神童、天才と呼ばれた平賀源内の孤独と苦悩、狂気を描く一代記。

上川さんを生で見るのは初、勝村さんはコリオレイナス以来なので約2年ぶりでした。

開演前のがらんとした舞台には衣装掛けが並び、黒子の人が準備で行き来しているのが丸見えで「え、この状態を客が見ていいの?」と思ってしまう開けっぴろげぶり。それが開演時間になると一瞬で暗転し、暗い中でバタバタと音がしていると思うとパッと舞台が照らされ、勝村さんを除く役者全員が裃姿で勢ぞろいしていたのです。あまりの早わざに、客席からどよめきの声が上がりました。上川さんらが口上を述べて客席を沸かせ、黒子の格好をした勝村さんが幕(歌舞伎のような黒・緑・橙の縦じまの幕。これがなぜか、ところどころ破れていたりすすけていたりしてボロボロ)を引いて本編がスタート。

源内は作家活動や学問、数々の発明で名を挙げ、世間からもてはやされます。今で言うタレント学者ですが、出世工作に失敗すると心を病んで人を殺し、獄中で食を絶って生涯を閉じました。

エレキテルを作ったことで知られる源内は、おカタい学者先生かと思いきや、女好きの上に出世欲のかたまり。何とかして幕府(それがだめなら大藩)に雇ってもらおうとあの手この手を使います。

しかし、スカウトしてくれた秋田藩に出向いて仕官しようとしていた矢先、困窮した農民に出会い、一揆に同情してしまったために仕官話は破談。老中の田沼にも媚びることができず、大衆からの人気も失い、貧乏生活に転落してしまいます。天才の頭脳と俗な功名心、子どもの好奇心、そして人間の体温をあわせ持った平賀源内を見ることができました。

今回は徹底して「日本の芝居」、特に歌舞伎をイメージした演出のように感じました。回り舞台、黒子を使った舞台上での早変わり、極彩色のごてごてした色遣いの衣装など。

吉原のシーンはかなりきわどくてドキドキしました。蜷川さんの舞台はよくWOWOWで放映されるのですが、これは深夜に放映しないといけないんじゃないでしょうか。何気なくテレビをつけて、いきなりこの吉原のシーンが流れてたら、絶対大人向けの番組だと思ってしまいます(笑)。

舞台の背景は全面鏡張りで、客席の観衆を背景に取り込んでしまうという「コリオレイナス」の冒頭でも使った手法。今回はこれが最初から最後まで通して使われていました。照明の使い方によって鏡に映るのが役者だけだったり、観客だったりするんですが、それが一番効果を発揮していたのが、源内が大衆の愚かさを罵る場面だったと思います。舞台上には源内と裏源内(勝村さん)の2人だけしかいない、まるで芥川龍之介の「闇中問答」のようなのに、数百、数千の物言わぬ目、目、目に取り囲まれている。源内の孤独が痛いほど伝わってきました。

勝村さんの歌声は初めて聞いたのですが、とても伸びやかで深みのある美声です!思わず聞き惚れていました。脳の中で何かの物質が出ていました。勝村さんの声と話し方、すごく好きです。低く深くよく響き、長台詞を早口でしゃべっても何を言っているか聞き取れる滑舌のよさ。笑うと大きな目の目尻が下がって、すごく人懐こい。「コリオレイナス」のシリアスな演技とは違った良さで、ますますファンになりました。

「表裏源内蛙合戦」は1月12日にWOWOWで放送されます♪(詳細

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プロフィール

奈津

Author:奈津
198X年生まれ、富山県在住。
フリーランス翻訳者。
関心は雇用(特に若い世代の)とか日本語の変遷とか。
家の周りは田んぼです。

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